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あきねこの後悔日誌

自作ゲームの制作状況とか、その他。



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▼ 第15回ウディコン作品紹介&レビュー #5【死】

秋月ねこ柳です。ウディコンが終わってだいぶ経ちますが、ウディコン作品のレビューの続きを書いていきます。
10月に入って今更 #ウディコン タグつけて何か言ってもそのタグで検索する人はわずかかもしれませんけど……

本日は第15回ウディコン作品紹介&レビューの#5です。
第15回ウディコンレビューの#1はこちらから。注意事項や目次などもこちらに書いてます。

今回のテーマは【死】。
死体、死に覚えゲー、死後の世界、死亡保障など、死を思わせそうなウディコン作品から5作品。
なんて物騒なテーマ!
その雰囲気もコミカルからシビアまで様々。死は万人に訪れるがゆえに、死もまた様々と……?

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【52】一画面で成し遂げる地獄再興
熱中5+斬新6+物語5+素材6+遊易4+他3=29
Ver.1.0.2、プレイ時間約0:25、クリアまでプレイ

絶叫であふれる地獄を再興すべく連打するゲーム。
ボタンを連打すると鬼が増え、鬼が増えるごとに地獄からの絶叫が増えていく……
そしてそのギャーを通貨にして地獄を強化して、さらに効率よく鬼やギャーを増えそう、というクリッカー系ゲーム。……序盤は。
鬼のついでに獲得できる地獄石を支払うことで手持ちのギャーを倍加させるという、よく考えなくてもヤバい機能が存在しており、正しく使えばギャーの増加は加速度的どころではない、指数関数的増大を見せていく。もはや目の前にある数字が何桁なのかすらよくわからない。そんな意味の分からない爽快感を楽しもう。
そういえば地獄というものは仏教で語られるところによれば、広さや時間など人間に実感の難しいレベルのでかい数字がぽこじゃか登場するような場所らしい。そんな数字が実際に目の前に出てきてやりくりの対象になっているというのがまさに地獄なのだなあと感じられるのだ。


【19】その日暮らしの冒険補償
熱中6+斬新6+物語7+素材6+遊易7+他7=39
Ver.1.07、プレイ時間約1:20、ノーマルでクリアまでプレイ

冒険者の負傷や死に対し補償を出す保険業を経営するゲーム。
出発した冒険者がすると予想される負傷などの確率を見て、それを補償する契約をしても良いかの判断を繰り返すのが基本。さらにゲームが進むと、困難な冒険に装備や護衛を貸し出して冒険の成功率を上げたり、契約内容の種類を足し引きして契約が割に合うよう調整していけるようになる。過剰な補償を取り付けて契約金を釣り上げるなんて行為も可能だ。
手元でやっていることは金のやりくりに過ぎないのだが、何度も冒険者を送り出していると、ある冒険者が成長しているのがわかったり、いつの間にか新たなダンジョンへの道が開拓されていたり。自分のやった仕事がまわりまわって世界を動かしている、数字の変化から物語を感じ取れるような作品だ。


【59】死をきたい
熱中4+斬新4+物語5+素材5+遊易5+他1=24
Ver記載なし、プレイ時間約0:30、エンド3種?までプレイ

様々な死を体験するADV。微グロ。
主人公が死ぬたびその際の姿を服として入手でき、それを着るとそれにまつわる能力を使用できる。なぜ死のうとするのか、なぜ死んでも死なないのか。そしてその一方で、一見場違いな能天気がすぎるぷにどりたちの存在。
またこのゲームは2週目をプレイすると、非常に多くの部分に変化が発生する。いろいろ察せられる変化からどうでもよさそうな変化まで様々に。
死によって先に進むという展開と、エンドの分岐条件がアレであることからなにかの示唆を感じた作品だ。


【56】棺ふる海
熱中5+斬新5+物語6+素材5+遊易5+他8=34
ver1.03、プレイ時間約0:30、1回プレイ

1人用TRPGの一種「ソロジャーナル」をウディタゲーム上でやろうという意欲作。主人公はどんな生き物か、どんな境遇に置かれているか、どんな事件に遭遇するか、そういったことをダイスと想像力をもとに決定していく。そうして作られた生き物は各々のプレイヤーの中で動きはじめ、そして事件は結末に向かって自然と進んでいく。ゲームが終わったころには、このゲームの製作者ですら思いもよらないような独自の物語がプレイヤーそれぞれの手元に完成していることだろう。物語を読むのではなく自ら作るという、デジタルゲームでは希少な体験ができる。
ソロジャーナルのシステムとしては比較的にシンプルな方で、一周するのに最低限必要な時間は短い。ソロジャーナルとは何なのかも知らないプレイヤーに知ってもらうための第一歩としてちょうどよくできた、ある意味で様々なプレイヤーが集まるウディコンという場によく合った作品とも思える。
物語が完成した後、プレイヤー同士でそれを見せあうのもまた一つの楽しみだといえる。


【22】SIBLINGS
熱中7+斬新5+物語6+素材9+遊易6+他6=39
Ver1.0.12、プレイ時間約4:00、通常でエリア2突破まで+救済利用で最後までプレイ

高難易度反射神経系アクションゲーム。敵の攻撃に合わせてタイミングよくキーを押して攻撃を弾いたり避けたりし、敵の体勢を崩して必殺の一撃を叩き込む。
やること自体はシンプルなのだが、攻撃は高速で立て続けに繰り出され、初見で的確に対応するのは難しい。敵の技を覚えて適応して見切っていくことが求められるだろう。
このゲームの特筆すべき点はその戦闘パートのダイナミックな動き。それぞれの攻撃が画面全体を使って派手にアニメーションし、目前に迫ってくるかのよう。的確に応えれば攻撃を弾く盾が小気味良い金属音を奏で、逆に一部の攻撃には避けそこなった際の専用演出まで用意されていて追い詰められた様を演出している。シンプル操作で迫力ある戦いの中に自らを置いたような体験ができる作品だ。
初期状態では一撃を食らえばあっという間に体力が消し飛ぶ緊張感ある困難な戦いを楽しめるが、救済措置としてのアイテムが用意されておりある程度体力に余裕を持ったプレイも可能。緊張を楽しんでこその作品、初期状態が高難度で、まずは高難度でやってみよという意図を感じる。その初期状態を試して苦しいようであれば救済を使っても十分緊張ある戦いは楽しめるだろう。高難度という言葉を恐れず、まずはやってみるべし。

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今回の紹介作品から選ぶおすすめは、やはりというか優勝作品の【22】SIBLINGS。
あの圧倒的な演出を体感してみてほしいですね。

第15回ウディコンレビューはいまのところ、次回を最終回とする予定でいます。
いまのうちに自薦他薦問わず遊んでみてほしいリクエストがあれば遊んでみるかもしれません。
なお次にプレイ予定の作品はプレイ時間が非常に長いとのことで、しばらく間が開くものとおもわれますが、よろしければ次回もどうぞ。

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以下追記部分は低評価部分になります。
意図的に読みづらい文字色にしているので読みたい方だけ読むようにしてください。

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▼ 第15回ウディコン作品紹介&レビュー #4【変則RPG】

秋月ねこ柳です。ウディコンの結果が出ましたがそれはそれとしてレビューは続けてまいります。
結果を解析して反省会もしたいのですが、まあそれはまた後でということで。

第15回ウディコン作品紹介&レビューの#4です。
第15回ウディコンレビューの#1はこちらから。注意事項などもこちらに書いてます。

今回のテーマは【変則RPG】。
RPGといってもいろいろ。斬新さが評価基準となるウディコンではなおさら。
RPGがいったいどんな魔改造をされて出てくるか、はたして今年は。

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【26】マインのパズルでバトル
熱中7+斬新6+物語4+素材5+遊易4+他3=29
1.01、プレイ時間約2:30、ハードモードでクリアまでプレイ

マインスイーパのマスを開けるごとに敵に攻撃する、というルールのパズル+RPGのようなゲーム。
ただマインスイーパを遂行すればよいかというと必ずしもそうではない。
攻撃はマスが開いた数ではなくクリック数に依存するため、一気にマスが開くようにするのではなく細かくマスが開くようにクリックしたほうがダメージ効率が良い。
また、原作マインスイーパは総経過時間を競うのに対し、このゲームでのコンボ発生は前クリックからの経過時間が規定以内であることが求められる。
よってあらかじめ旗を建てられるだけ立てておいて連続クリックできる準備をしておくなど、原作にない戦略が有効になる場合がある。
さらに言えば、少なくとも自分のプレイしたハードモードではダメージマスの配置率が原作マインスイーパの爆弾率よりも厳しめなので、実力だけでは突破できない盤面も現れやすくなっている。お金をためて装備アイテムを買って伸ばしたい能力を伸ばしたり、周回して経験値がたまれば能力値が増えたり、消費回復アイテムがあったり、といったRPG的な強化要素もあるのでそれで対抗していくことになるだろう。
ただのマインスイーパでは終わらないだけの作品に仕上がっていると感じた。


↑ここまで投票期間内にプレイして投票した作品
↓ここから投票期間終了後にプレイしたので投票できてない作品


【12】不屈のスペラ
熱中7+斬新6+物語5+素材7+遊易8+他3=36
Ver1.03、プレイ時間約5:30、HARDクリア+実績10/26まで

デッキ構築型カードバトルゲーム。道中で手に入るカードを集めてデッキを構築し、戦闘では作ったデッキのカードを使って戦う系統。
特徴として、HPが減ると攻撃力が跳ね上がるいわゆる背水系能力がとても強力かつ常時発動で最初から確定でついてくる、つまりそれを利用することが前提の構成になっているということだ。HPが減っている状態ではびっくりするくらい敵がサクサク倒せるが、それで調子に乗ってHPを減らしすぎて負けるのは誰もが通る道か。
相棒として精霊を一人選ぶことができ、精霊ごとに違った強力な支援効果を得ることができる。支援を生かしやすいカードも精霊によって違うため、選んだ精霊によって違った傾向のデッキを構築していくことになるだろう。実績システムがあることも併せて、様々なプレイングを積極的に試していける構成になっている。


【6】メリカと野菜の剣士たち
熱中8+斬新8+物語6+素材6+遊易7+他5=40
Ver 1.02.0、プレイ時間約10:00、エンディング・全実績クリアまで

自分は戦えないから徹底的に支援に回ろう!野菜で!
剣士に野菜を食べさせて強化して戦ってもらうRPG。デッキに入れた野菜がランダムで出現するのでその中から原則3つまでを選んで食べさせるという、まず見た目からして異色なゲーム。操作感としてはデッキ構築型カードバトルに近く、野菜には能力値加算・回復・状態付与・野菜の強化や入れ替えまで多彩なものが存在している。野菜の効果同士にもシナジーがあり、強力な野菜コンボが出せるように道中で採れる野菜をデッキに加えつつダンジョンを進む。
しかしあくまで戦うのは剣士で主人公はほぼ完全に補助役であるというのがこのゲームのすごいところ。使う剣技を決めるのも剣士の側だ。剣技によって有効な野菜効果は違ってくるので、都度剣技に合わせた野菜を与えるか、それとものちに備えて場を固めるべきか。敵、味方、そして野菜すべてを見極めたプレイングが重要になってくる。
変わったルールにとにかく野菜を食べさせるのだという勢いある設定で説得力をつけ、斬新かつ奥深いルールが直感的に遊びやすくまとっている作品。


【1】零落と紺碧の海神
熱中7+斬新6+物語9+素材6+遊易7+他5=40
ver.1.03、プレイ時間約1:00、無敗クリアまでプレイ、スコア31715点

古い自由帳を携えて、最後の夏の冒険に出るRPG。
道中でランダムに拾える消耗品を駆使して戦いながら道を進む。能力値はHPと与ダメージしかないシンプル設計だが、それゆえにアイテムの重要度が高い。そのアイテムも4つしか持てないため一つ当たりの価値が大きく、取捨選択が勝敗に直結してくる。たとえHPが0になってもポイント(≒所持金)を半減して戦闘継続・即時復活するため、クリアまでなら誰でも可能な設計。しかしクリア時点のポイントを競うランキングがあるため、たとえエンディングが変わらなくともゲーム慣れしたプレイヤーは無敗クリアを狙いたくなる。高ポイントを維持してクリアするにはやや手ごたえあり。
舞台となる漁村に主人公が抱く失望と未練。唯一の理解者たる彼女との冒険をこれで最後とする理由。物語の文章だけでなく、アイテムに添えられた一言、さりげなく表示されるシステムテキストまで。あらゆるところから主人公の心情がプレイヤーにしみこんでくる、夏の終わりのノスタルジーを彩るにふさわしい一作。


【15】ウラミコドク
熱中6+斬新8+物語6+素材6+遊易5+他3=34
ver1.08.1、プレイ時間約10:00、エンディングまでプレイ

巫女さんたちがデスゲームに放り込まれるRPG+推理ADV。
謎の隔離空間に存在する神社に閉じ込められた巫女たちに提示された脱出条件は2とおり。どこにあるのかわからない出口を見つけ出すか、仲間を殺害し犯人が自分であるとばれないよう隠し通すか。みんなで出口を探すはずが、殺人事件は次々と発生していく。
ゲーム本編はおおまかにダンジョンRPGパートと推理ADVパートに分けられ、交互に進行する形だ。RPGパートでは多様かつきわめて個性的なキャラ達が登場し編成可能。ストーリー上すぐ死ぬキャラにもばっちり個性的なスキルがついている。そんな個性的なキャラをうまく編成して戦っていくのはパズルのような感覚だ。
そして殺人事件が起きると推理ADVパートに切り替わる。様々な証拠をもとに誰が犯人なのか話し合って、ウソを見破ったり、間違いを修正したり、時には意見に同調して掘り下げることでも推理を進めていく。この推理パートでは、戦闘システムルールやキャラの特殊技能の性質は推理パートでも適用される、という前提で推理する必要があるのが個性的だ。攻撃力が防御力未満だとダメージ入らないので殺せませんよね、みたいな会話が当然のように出てくる。RPGパートでキャラの能力を把握できているほどそれが推理のしやすさにつながってくるのだ。
被害者は死んだら生き返らないし、犯人も推理を当てられれば処刑されて退場。それはもちろんRPGパート上でも使えなくなることを意味する。次に誰が殺される?誰が犯人になる?という緊張感がたまらないゲームだ。
巫女キャラであるという縛りの中でこれだけ個性的づけられた多数のキャラを用意してくるあたりに、ものすごい巫女に対する執念を感じる作品。

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今回の紹介作品から選ぶおすすめは【6】メリカと野菜の剣士たち。
ウディコンの順位的にはスペラの方が上だけど、個人的には間違いなくこっち。
そういうシステムをそう表現してくるかと感動さえ覚えました。

レビューがたまりましたら次回記事を書いていきますので、よろしければ次回も。

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以下追記部分は低評価部分になります。
意図的に読みづらい文字色にしているので読みたい方だけ読むようにしてください。

▼ 新作短編フリーゲーム『シェリィとアクアスター』完成&公開のお知らせ

このたび、堀井ほりん様主催の24時間ゲ制企画に参加してまいりました。
制作期間は8/11~14。テーマは『水着』に沿ったゲームを24時間で作って持ち寄ろうという企画です。
山の日なのに水着!

というわけで制作されたのが『シェリィとアクアスター』です。

ScreenShot_2023_0820_21_23_38.png

海に落ちた流れ星を集めて、願い事をかなえてもらおうというお話。
なお願い事はなんやかんやで水着関連になる模様。企画だからね。仕方ないね。
ゲーム終了時点のスコアによって違った水着、エンディングになります。

プレイ時間は1回2分程度、うまい人なら総合30分くらいで全種のエンディングを回収できそうな気がします。
ちなみに現バージョンでは24時間ゲ制配信でプレイいただいたバージョンとは操作性もバランスもだいぶ変わっているほか、ストーリーやエンディングイラストも差し替わっています。
配信で見ていた通りに操作したのにちゃんと動かないぞ、とならないようにご注意を。

こちらの作品ですが、PLiCyにてブラウザ上で遊べるようになっています。
https://plicy.net/GamePlay/162004
ちなみにPLiCyのユーザー登録をしなくても遊べますが、
ユーザー登録してあるとハイスコアや設定やクリアしたエンディングが保存されるようになります。
逆に言うとその程度の差なので登録しないで遊んでもさほど困らないのかも。

ダウンロード版は今のところ正式に置いてはいませんが、そのうち用意するかもしれません。

例によってフリーゲーム、すなわち無料で遊ぶことができますので
お気軽にお楽しみいただければ幸い。

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ウディコン、結果発表が出ましたね。
ウディコンの開催期間的には終わりましたが、なにか大事故とかが起きたりしない限りは作品レビューは全作品の半分くらいをプレイするまで続けていく予定です。しかし投票期間が終わった以上、今まで通りの大急ぎペースでプレイし続けるとはいかないと思います。実際今も某ウディコンと関係ないシューティングゲームとか遊んでますし……
もし楽しみにしていらっしゃる方がいたら、気長にお待ちいただければと。

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▼ 第15回ウディコン作品紹介&レビュー #3【再会】

秋月ねこ柳です。ウディコンには【44】WOLFALL で参加中!
今回のウディコンでは実は少ないシューティングゲームです。
成長要素や無限コンティニューもあって初心者にも遊びやすくなってますので、
一度遊んでいただけるとうれしい……

それはさておき、第15回ウディコン作品紹介&レビューの#3です。
第15回ウディコンレビューの#1はこちらから。注意事項などもこちらに書いてます。

今回のテーマは【再会】。
以前ウディコンで遊んだゲームとの関連性を感じそうな5作品を選びました。
それは続編だったり外伝だったりセルフオマージュだったり。
ウディコンとの付き合いが長い人ほどはっとする部分があるかもしれませんね。

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【2】少女大猩猩 -その猩猩、凶暴につき-
熱中6+斬新5+物語6+素材7+遊易6+他5=35
ver1.03、プレイ時間約1:00、クリア+おまけまでプレイ

ゴリラに変身できる女子高生が大暴れするアクション系ゲーム。やはりウディコンといえばゴリラなのだ。
ゴリラ状態時に敵に接触すると攻撃でき、人間時に敵に接触するとゲームオーバー。ゴリラ維持にはゴリラパワーを消費する必要があり、パワーは人間状態でいれば回復できるため、回復するための安全確保が重要。後先考えず暴れるのではなく、賢く戦ってこその霊長類なのだ。
ゴリラパワーを貯めてから一気に敵をせん滅する、攻守入れ替わる爽快感が心地よいゴリラだ。


【55】文無し行商人の遺跡探索
熱中8+斬新8+物語7+素材8+遊易7+他7=45
Ver1.01、プレイ時間約12:00、VERYHARDクリアまでプレイ

ダイスを振って行動を決めるローグライト系RPG。第14回ウディコン『脳筋魔法使いは進学したい』作者様の作品。その道中のランダムイベントで登場したキャラたちが主人公になったり、またちょい役として登場したり。前作を知っているとあれがああなるのかといろいろニヤリとできるだろう。
前作をダイスを増やすゲームと形容するなら、今作はダイスを改良するゲームと言える。ダイスには1~6固定の目ではなく、能力値やスキル効果量が書かれており、戦闘勝利などの際に能力値や効果量を増やせる。どの能力値を伸ばしたいかは3択で提示されるため、手持ちのスキルなどの状況に合わせて相性のいいものを厳選していこう。
戦闘で使えるスキルは、特定の能力値が規定値以上だと早く使えるようになったり、性能が上がったりする。特定の条件を満たすと強力になるスキルも数多く存在し、今回の引きであればどういったシナジーを狙っていくか、といった戦術性が楽しめるだろう。
道中のランダムイベントでは、その自分が改良してきたダイスを振って成否を判定するものも多い。前作に引き続き消費することでダイスの振り直しができるエキストラダイスもあり、その切りどころも肝心だ。もっとも振り直しであるため、振りなおしたらいい結果が出るとは限らないのが恐ろしいところだ。今度こそ出るはず、と大量のダイスを浪費してしまった経験はこのゲームのプレイヤーなら必ずあるはず。
限られた時間リソース・成長リソース・振り直しリソースを何に使っていくか、出てくるスキルやイベントによって最適解が変わってくるので何度でも遊べるローグライトに仕上がっている。


【3】祟女 -TATARIME-
熱中4+斬新5+物語5+素材5+遊易4+他0=23
ver1.04、プレイ時間約0:30、エンド3種までプレイ

説明書によると「B級ホラー風味のメンヘラヤンデレ恋愛アドベンチャーゲームです。」。ホラーは風味であって本質は恋愛アドベンチャーって事?
とはいえ基本的な作りとしては突然不気味な画像が画面いっぱいに出てくるタイプ、選択を誤ると死ぬ系のオーソドックスなホラーゲーム。青年引っ越してきたアパートで次々と起こる怪奇現象、それを解決するのは恋愛なのか。本当にそれでいいのか。
ちなみに『少女大猩猩 -その猩猩、凶暴につき-』と共通のキャラが登場している模様で、そちらを併せてプレイすると本当にいいのかそれで感が一層際立つかも。

# 作者は何にも悪くない事なんですけど、主人公の絶叫として使われているボイス素材がおそらく某ネタ動画と共通なので主人公が死ぬたびにネタ動画を思い出して変な笑いが出てしまったというきわめて個人的な問題が。あれどこの素材なんでしょうね?


【11】竜と黄金の梨と焼け残り
熱中3+斬新6+物語6+素材8+遊易3+他1=27
ver1.17→ver1.18、プレイ時間約6:00、エンディングまで、おまけは未

3Dダンジョンの半ローグライク系ゲーム。探索はターン制だが戦闘は独立画面で行うタイプ。いくつかのスキル傾向のある仲間たちから3人選んで編成し、ダンジョンで拾ったアイテムをそのまま使ったり加工したりしながら奥へと進んでいく。
戦闘では基本的な部分はフルオートで進行するが、キャラを応援したりアイテムを投入して支援したりとリアルタイムに介入する要素がある。序盤は応援していれば勝てるが、アイテムを消費しないと立ち行かなくなってくるあたりから何を切るべきか悩まされるようになってくる。
イラスト風のグラフィックで、ダンジョンやキャラクターたちがポップでいきいきと描かれていて、動かしているだけで漫画の中を探検しているような気分になれるゲーム。

# (微ネタバレ)■過去作と関連作っぽいタイトルと世界観ではあるが、エンディングまでの範囲で過去作のキャラが明確に登場することはない模様。というか、固定の名前ありキャラが主人公含めてほとんどいない。クリア後まで遊べばどうかはわからないが。


【46】救済少年の終末
熱中7+斬新6+物語7+素材6+遊易7+他7=40
ver1.04、プレイ時間約0:50、エンディング全種+おまけまで

地球滅亡まで10時間となった世界で、できることをするADV。舞台は未来世界でありほとんどの人々は地球を脱出して移住しているが、それでもなお隕石衝突直前の地球には少しの人間があえて地球と最期を共にすることを選び残っている。それぞれただ事ではない背景があるのが推察されるだろう。
人々はリアルタイムな時間の経過とともにそれぞれに行動を起こし、それぞれの人生はそれぞれに動いていくことを感じられるリアリティある構成だ。しかし一方で、人々がいつ動くかはいつでも予定表を確認できるので全員を救済することは初見でも難しくないように仕上がっている。
(微ネタバレ)■主人公は小さな少年であり、その身でできる事は限られている。大きな権力も無く、財力もわずかで、ましてや隕石を破壊するような超能力を行使できる超人というわけでもない。
世知辛い過去作の物語がこの物語の中でも本として語られ、それに共感を示す人々が居るように、やはりこの世界も世知辛い。なにもかもが理想通りに解決できるわけではない。少年がなにもしなかった世界と全力で走り回った世界を見比べても、物質的には後に何も残らないのは同じだ。だとしても確かに少年の生に価値はあったのだと、確かに信じられる読後だった。


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今回の紹介作品から選ぶおすすめは【55】文無し行商人の遺跡探索。
前作と似たような感じかと思ったら、全然違う。
クリアを安定させるにも、どのダイス目がでてもいいようにする構成かダイス目を全力で操作しにかかる構成かなど人によって同じゲームを違うとらえ方しているのが面白いですね。

レビューがたまりましたら次回記事を書いていきますので、よろしければ次回も。

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以下追記部分は低評価部分になります。
意図的に読みづらい文字色にしているので読みたい方だけ読むようにしてください。

▼ 第15回ウディコン作品紹介&レビュー #2【ACT】

秋月ねこ柳です。ウディコンには【44】WOLFALL で参加中!
ウディタのサンプルゲームをいじったネタが満載のアクション系ゲームですので、ぜひ遊んでいただければ!

それはさておき、第15回ウディコン作品紹介&レビューの#2です。
第15回ウディコンレビューの#1はこちらから。注意事項などもこちらに書いてます。

今回のテーマは【ACT】。
アクションゲームを中心に5作品をピックアップしてのご紹介です。
自作品もアクションゲームだからね……ほかのアクションゲームも気になるよね……

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【58】カエルはカエる
熱中6+斬新6+物語5+素材6+遊易4+他6=33
v1.41、プレイ時間約0:30、クリア+コイン15個までプレイ

ゲームボーイっぽいドット絵の横アクションゲーム。音楽も楽曲データが直接入っているのではなく、ウディタ側で効果音を使って演奏しているとか。
主人公がカエルであり、特徴的なアクションとしてベロ伸ばしができる。これを各所のうずまきにひっかけることで空中ジャンプが可能。慣れてくるとサクサク縦移動できるようになってくる。
全体的なボリュームは少なめだが、ファイルをいじることでオリジナルなステージも作れるようになっているなど、楽しみたい人はもっと楽しめる要素もあったり。


【41】ショートファンタジー マージョのマジかるパニカル
熱中5+斬新6+物語4+素材4+遊易5+他1=25
ver 1.10、プレイ時間約0:20、10820点までプレイ(当時オンラインランキング5位)

見下ろし視点のシューティング系ミニゲーム。
敵を攻撃するために撃った弾は画面端に到達すると闇の炎(触れるとダメージ)に変化し、何度でも反射してずっと画面内に居座り続ける。ゲームを続けるほどに闇の炎が溜まって増えるので、どんどん避けるのが困難になっていく。
慎重に狙って弾が増えないように抑えるか、どんどん撃ってさっさとコンボボーナスを稼ぐのがいいか、シンプルながらもよくできている作品。


【30】STARCHILD
熱中7+斬新8+物語5+素材7+遊易4+他5=36
ver1.002、プレイ時間約6:00、「むずかしい」キャラでクリアまで、家具回収6個

様々な星に降り立って冒険する横視点アクションゲーム。
一般的横アクションでいうジャンプに相当する「浮遊」の挙動がきわめて独特であり、コツをつかむまでが難しい。イメージとしては着地の度に「浮遊力」が最大まで補給され、それを使い切るまでは空中でもジャンプが可能、といったところか。
独自の操作であることを強く意識しないと頻繁に墜落するだろう。例えばありがちな二段ジャンプのイメージで高く飛ぼうと操作すると一段目で浮遊力を使い切って二段目が出なかったりする。
なんなら中途半端にジャンプっぽい挙動をする「やさしい」のキャラよりあからさまな独自挙動をする「むずかしい」のキャラの方が扱いやすかったと言っても過言ではない。
加えてステージ自体の難易度も中盤あたりから急上昇し始める。動く小さい足場に乗りそこなうと即死だとか、慎重に進んでも厳しいのにノンストップで駆け抜けないと消失する足場だとか。さらにミス時の復帰地点間隔も進むほど長くなっていきがち。最終盤の『これをマジで通しでクリアするんすか』『これチェックポイントまだ来ないんすか』感はすごい。それだけにクリアできたときは達成感もすごい。
独自挙動アクションへの適応に頭が灼ける感覚を楽しみたいあなたに。


【18】ビャッコーギャモン
熱中5+斬新7+物語8+素材9+遊易4+他5=38
ver1.52、プレイ時間約9:00、本編クリアまで、おまけは途中

ぐりぐり動くド派手なドット絵で楽しむ横スクロールアクションゲーム。用語やら挙動やら、やや格闘ゲームっぽく作られているのかも。ローリング行動中は敵の攻撃を回避し、成功時にボーナスがつくシステムがある。敵に囲まれたピンチをチャンスに変えられると気持ちいい、が実現はなかなか難しい。
使える武器は種類ごとに特徴が大きく異なっており、3つ武器を持てるためどれを持っていくか好みと場面に合わせて選んでいきたい。個人的には攻撃範囲が上下に広くて使いやすく、防御にも使える斧が気に入った。ほかにも射程に優れるアンカーや連続攻撃で真価を発揮する剣、意外なものではバイクまで登場する。店売りの武器はランダムエンチャントつき。いろいろ試して扱いやすい武器を見つけよう。
最初ヒーローものかと思っていたらだんだん様子が雲行きが怪しくなってくるストーリーも必見。主人公が倒すべきとされているデモンズとは一体何なのか。果たすべき正義とは何で、それを実現する方法とは。難易度は高い(というか、システム要素が多くて大変だ)が、ぜひ結末を見届けたい一作。


【54】SICS(シックス)~特殊事件対策係~
熱中6+斬新5+物語5+素材7+遊易6+他3=32
ver1.15、プレイ時間約2:15、普通にクリア・おまけまでプレイ

見下ろし視点のアクション+ADV。ゾンビっぽい何かや妖怪っぽい何かやUMAっぽい何かなど、怪異でいっぱいの村を探索しよう!
村の中では日本国憲法が適用されないので(?)銃も撃ちまくれる!火炎放射で怪異を消毒!しかしあえての銃禁止プレイでクリアすると称号がもらえるとか。時代の最先端はやはり斧なのか。
第一印象はホラー系ゲームのよう。しかし(縛らなければ)圧倒的火力と、主人公が一部怪異をおいしそうなどと言い出す(回復アイテムです)など肝が据わりすぎているあたりから逆にギャグになっている箇所も。銃が効く程度の怪異など物の数ではないのだ!

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今回の紹介作品から選ぶおすすめは【18】『ビャッコーギャモン』。
正直システム要素が多すぎてついていくので精一杯、でもストーリーが読みたいから続けられた。
そんな熱い物語を体感してみませんか?

レビューがたまりましたら次回記事を書いていきますので、よろしければ次回も。

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以下追記部分は低評価部分になります。
意図的に読みづらい文字色にしているので読みたい方だけ読むようにしてください。