秋月ねこ柳です。ウディコンが終わってだいぶ経ちますが、ウディコン作品のレビューの続きを書いていきます。
10月に入って今更 #ウディコン タグつけて何か言ってもそのタグで検索する人はわずかかもしれませんけど……
本日は第15回ウディコン作品紹介&レビューの#5です。
第15回ウディコンレビューの#1はこちらから。注意事項や目次などもこちらに書いてます。
今回のテーマは【死】。
死体、死に覚えゲー、死後の世界、死亡保障など、死を思わせそうなウディコン作品から5作品。
なんて物騒なテーマ!
その雰囲気もコミカルからシビアまで様々。死は万人に訪れるがゆえに、死もまた様々と……?
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【52】一画面で成し遂げる地獄再興
熱中5+斬新6+物語5+素材6+遊易4+他3=29
Ver.1.0.2、プレイ時間約0:25、クリアまでプレイ
絶叫であふれる地獄を再興すべく連打するゲーム。
ボタンを連打すると鬼が増え、鬼が増えるごとに地獄からの絶叫が増えていく……
そしてそのギャーを通貨にして地獄を強化して、さらに効率よく鬼やギャーを増えそう、というクリッカー系ゲーム。……序盤は。
鬼のついでに獲得できる地獄石を支払うことで手持ちのギャーを倍加させるという、よく考えなくてもヤバい機能が存在しており、正しく使えばギャーの増加は加速度的どころではない、指数関数的増大を見せていく。もはや目の前にある数字が何桁なのかすらよくわからない。そんな意味の分からない爽快感を楽しもう。
そういえば地獄というものは仏教で語られるところによれば、広さや時間など人間に実感の難しいレベルのでかい数字がぽこじゃか登場するような場所らしい。そんな数字が実際に目の前に出てきてやりくりの対象になっているというのがまさに地獄なのだなあと感じられるのだ。
【19】その日暮らしの冒険補償
熱中6+斬新6+物語7+素材6+遊易7+他7=39
Ver.1.07、プレイ時間約1:20、ノーマルでクリアまでプレイ
冒険者の負傷や死に対し補償を出す保険業を経営するゲーム。
出発した冒険者がすると予想される負傷などの確率を見て、それを補償する契約をしても良いかの判断を繰り返すのが基本。さらにゲームが進むと、困難な冒険に装備や護衛を貸し出して冒険の成功率を上げたり、契約内容の種類を足し引きして契約が割に合うよう調整していけるようになる。過剰な補償を取り付けて契約金を釣り上げるなんて行為も可能だ。
手元でやっていることは金のやりくりに過ぎないのだが、何度も冒険者を送り出していると、ある冒険者が成長しているのがわかったり、いつの間にか新たなダンジョンへの道が開拓されていたり。自分のやった仕事がまわりまわって世界を動かしている、数字の変化から物語を感じ取れるような作品だ。
【59】死をきたい
熱中4+斬新4+物語5+素材5+遊易5+他1=24
Ver記載なし、プレイ時間約0:30、エンド3種?までプレイ
様々な死を体験するADV。微グロ。
主人公が死ぬたびその際の姿を服として入手でき、それを着るとそれにまつわる能力を使用できる。なぜ死のうとするのか、なぜ死んでも死なないのか。そしてその一方で、一見場違いな能天気がすぎるぷにどりたちの存在。
またこのゲームは2週目をプレイすると、非常に多くの部分に変化が発生する。いろいろ察せられる変化からどうでもよさそうな変化まで様々に。
死によって先に進むという展開と、エンドの分岐条件がアレであることからなにかの示唆を感じた作品だ。
【56】棺ふる海
熱中5+斬新5+物語6+素材5+遊易5+他8=34
ver1.03、プレイ時間約0:30、1回プレイ
1人用TRPGの一種「ソロジャーナル」をウディタゲーム上でやろうという意欲作。主人公はどんな生き物か、どんな境遇に置かれているか、どんな事件に遭遇するか、そういったことをダイスと想像力をもとに決定していく。そうして作られた生き物は各々のプレイヤーの中で動きはじめ、そして事件は結末に向かって自然と進んでいく。ゲームが終わったころには、このゲームの製作者ですら思いもよらないような独自の物語がプレイヤーそれぞれの手元に完成していることだろう。物語を読むのではなく自ら作るという、デジタルゲームでは希少な体験ができる。
ソロジャーナルのシステムとしては比較的にシンプルな方で、一周するのに最低限必要な時間は短い。ソロジャーナルとは何なのかも知らないプレイヤーに知ってもらうための第一歩としてちょうどよくできた、ある意味で様々なプレイヤーが集まるウディコンという場によく合った作品とも思える。
物語が完成した後、プレイヤー同士でそれを見せあうのもまた一つの楽しみだといえる。
【22】SIBLINGS
熱中7+斬新5+物語6+素材9+遊易6+他6=39
Ver1.0.12、プレイ時間約4:00、通常でエリア2突破まで+救済利用で最後までプレイ
高難易度反射神経系アクションゲーム。敵の攻撃に合わせてタイミングよくキーを押して攻撃を弾いたり避けたりし、敵の体勢を崩して必殺の一撃を叩き込む。
やること自体はシンプルなのだが、攻撃は高速で立て続けに繰り出され、初見で的確に対応するのは難しい。敵の技を覚えて適応して見切っていくことが求められるだろう。
このゲームの特筆すべき点はその戦闘パートのダイナミックな動き。それぞれの攻撃が画面全体を使って派手にアニメーションし、目前に迫ってくるかのよう。的確に応えれば攻撃を弾く盾が小気味良い金属音を奏で、逆に一部の攻撃には避けそこなった際の専用演出まで用意されていて追い詰められた様を演出している。シンプル操作で迫力ある戦いの中に自らを置いたような体験ができる作品だ。
初期状態では一撃を食らえばあっという間に体力が消し飛ぶ緊張感ある困難な戦いを楽しめるが、救済措置としてのアイテムが用意されておりある程度体力に余裕を持ったプレイも可能。緊張を楽しんでこその作品、初期状態が高難度で、まずは高難度でやってみよという意図を感じる。その初期状態を試して苦しいようであれば救済を使っても十分緊張ある戦いは楽しめるだろう。高難度という言葉を恐れず、まずはやってみるべし。
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今回の紹介作品から選ぶおすすめは、やはりというか優勝作品の【22】SIBLINGS。
あの圧倒的な演出を体感してみてほしいですね。
第15回ウディコンレビューはいまのところ、次回を最終回とする予定でいます。
いまのうちに自薦他薦問わず遊んでみてほしいリクエストがあれば遊んでみるかもしれません。
なお次にプレイ予定の作品はプレイ時間が非常に長いとのことで、しばらく間が開くものとおもわれますが、よろしければ次回もどうぞ。
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以下追記部分は低評価部分になります。
意図的に読みづらい文字色にしているので読みたい方だけ読むようにしてください。
10月に入って今更 #ウディコン タグつけて何か言ってもそのタグで検索する人はわずかかもしれませんけど……
本日は第15回ウディコン作品紹介&レビューの#5です。
第15回ウディコンレビューの#1はこちらから。注意事項や目次などもこちらに書いてます。
今回のテーマは【死】。
死体、死に覚えゲー、死後の世界、死亡保障など、死を思わせそうなウディコン作品から5作品。
なんて物騒なテーマ!
その雰囲気もコミカルからシビアまで様々。死は万人に訪れるがゆえに、死もまた様々と……?
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【52】一画面で成し遂げる地獄再興
熱中5+斬新6+物語5+素材6+遊易4+他3=29
Ver.1.0.2、プレイ時間約0:25、クリアまでプレイ
絶叫であふれる地獄を再興すべく連打するゲーム。
ボタンを連打すると鬼が増え、鬼が増えるごとに地獄からの絶叫が増えていく……
そしてそのギャーを通貨にして地獄を強化して、さらに効率よく鬼やギャーを増えそう、というクリッカー系ゲーム。……序盤は。
鬼のついでに獲得できる地獄石を支払うことで手持ちのギャーを倍加させるという、よく考えなくてもヤバい機能が存在しており、正しく使えばギャーの増加は加速度的どころではない、指数関数的増大を見せていく。もはや目の前にある数字が何桁なのかすらよくわからない。そんな意味の分からない爽快感を楽しもう。
そういえば地獄というものは仏教で語られるところによれば、広さや時間など人間に実感の難しいレベルのでかい数字がぽこじゃか登場するような場所らしい。そんな数字が実際に目の前に出てきてやりくりの対象になっているというのがまさに地獄なのだなあと感じられるのだ。
【19】その日暮らしの冒険補償
熱中6+斬新6+物語7+素材6+遊易7+他7=39
Ver.1.07、プレイ時間約1:20、ノーマルでクリアまでプレイ
冒険者の負傷や死に対し補償を出す保険業を経営するゲーム。
出発した冒険者がすると予想される負傷などの確率を見て、それを補償する契約をしても良いかの判断を繰り返すのが基本。さらにゲームが進むと、困難な冒険に装備や護衛を貸し出して冒険の成功率を上げたり、契約内容の種類を足し引きして契約が割に合うよう調整していけるようになる。過剰な補償を取り付けて契約金を釣り上げるなんて行為も可能だ。
手元でやっていることは金のやりくりに過ぎないのだが、何度も冒険者を送り出していると、ある冒険者が成長しているのがわかったり、いつの間にか新たなダンジョンへの道が開拓されていたり。自分のやった仕事がまわりまわって世界を動かしている、数字の変化から物語を感じ取れるような作品だ。
【59】死をきたい
熱中4+斬新4+物語5+素材5+遊易5+他1=24
Ver記載なし、プレイ時間約0:30、エンド3種?までプレイ
様々な死を体験するADV。微グロ。
主人公が死ぬたびその際の姿を服として入手でき、それを着るとそれにまつわる能力を使用できる。なぜ死のうとするのか、なぜ死んでも死なないのか。そしてその一方で、一見場違いな能天気がすぎるぷにどりたちの存在。
またこのゲームは2週目をプレイすると、非常に多くの部分に変化が発生する。いろいろ察せられる変化からどうでもよさそうな変化まで様々に。
死によって先に進むという展開と、エンドの分岐条件がアレであることからなにかの示唆を感じた作品だ。
【56】棺ふる海
熱中5+斬新5+物語6+素材5+遊易5+他8=34
ver1.03、プレイ時間約0:30、1回プレイ
1人用TRPGの一種「ソロジャーナル」をウディタゲーム上でやろうという意欲作。主人公はどんな生き物か、どんな境遇に置かれているか、どんな事件に遭遇するか、そういったことをダイスと想像力をもとに決定していく。そうして作られた生き物は各々のプレイヤーの中で動きはじめ、そして事件は結末に向かって自然と進んでいく。ゲームが終わったころには、このゲームの製作者ですら思いもよらないような独自の物語がプレイヤーそれぞれの手元に完成していることだろう。物語を読むのではなく自ら作るという、デジタルゲームでは希少な体験ができる。
ソロジャーナルのシステムとしては比較的にシンプルな方で、一周するのに最低限必要な時間は短い。ソロジャーナルとは何なのかも知らないプレイヤーに知ってもらうための第一歩としてちょうどよくできた、ある意味で様々なプレイヤーが集まるウディコンという場によく合った作品とも思える。
物語が完成した後、プレイヤー同士でそれを見せあうのもまた一つの楽しみだといえる。
【22】SIBLINGS
熱中7+斬新5+物語6+素材9+遊易6+他6=39
Ver1.0.12、プレイ時間約4:00、通常でエリア2突破まで+救済利用で最後までプレイ
高難易度反射神経系アクションゲーム。敵の攻撃に合わせてタイミングよくキーを押して攻撃を弾いたり避けたりし、敵の体勢を崩して必殺の一撃を叩き込む。
やること自体はシンプルなのだが、攻撃は高速で立て続けに繰り出され、初見で的確に対応するのは難しい。敵の技を覚えて適応して見切っていくことが求められるだろう。
このゲームの特筆すべき点はその戦闘パートのダイナミックな動き。それぞれの攻撃が画面全体を使って派手にアニメーションし、目前に迫ってくるかのよう。的確に応えれば攻撃を弾く盾が小気味良い金属音を奏で、逆に一部の攻撃には避けそこなった際の専用演出まで用意されていて追い詰められた様を演出している。シンプル操作で迫力ある戦いの中に自らを置いたような体験ができる作品だ。
初期状態では一撃を食らえばあっという間に体力が消し飛ぶ緊張感ある困難な戦いを楽しめるが、救済措置としてのアイテムが用意されておりある程度体力に余裕を持ったプレイも可能。緊張を楽しんでこその作品、初期状態が高難度で、まずは高難度でやってみよという意図を感じる。その初期状態を試して苦しいようであれば救済を使っても十分緊張ある戦いは楽しめるだろう。高難度という言葉を恐れず、まずはやってみるべし。
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今回の紹介作品から選ぶおすすめは、やはりというか優勝作品の【22】SIBLINGS。
あの圧倒的な演出を体感してみてほしいですね。
第15回ウディコンレビューはいまのところ、次回を最終回とする予定でいます。
いまのうちに自薦他薦問わず遊んでみてほしいリクエストがあれば遊んでみるかもしれません。
なお次にプレイ予定の作品はプレイ時間が非常に長いとのことで、しばらく間が開くものとおもわれますが、よろしければ次回もどうぞ。
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以下追記部分は低評価部分になります。
意図的に読みづらい文字色にしているので読みたい方だけ読むようにしてください。
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