第13回ウディコンに【34】『城跡のアリュイラ』で参加しておりました、
秋月ねこ柳でございます。
ウディコンはとっくに終わり、次回ウディコンまでなんと300日を切ったのですが
あんまり気にしないでレビューは続けていきます。
なお今回は第9巻であり、
初めての方は注意事項などが初回にありますので、あらかじめ参照いただきたく。
また、レビュー記事をまとめた目次も随時更新しております。
===
【59】『Wizarga -DEMONS SAGA-』
ver.2021.08.28.9
#1:本編クリアまでプレイ・おまけ未攻略 3時間程度
Zero:本編クリア+Exクリアまでプレイ 1時間程度
SUMMONER:本編クリアまでプレイ・おまけ未実装 8時間程度
熱中4/斬新4/物語5/素材5/遊易5/他+5
三部作のダンジョンRPGが一つになった作品。
各ゲームはそれぞれひとつづつの作品として独立しているが、
それらはすべて一つの物語の一部であり、
3つの違った時代・違った視点から見ていくことになる。
#1は昔ながらのシンプルなダンジョンRPG。
扉を開ける前にその先の敵の種類が部分的に分かるのだが、
選択をやり直したり別の扉に行くことで敵の種類がある程度選べる。
▼とはいえ味方編成は固定のため、プレイヤーによって
得意苦手の差はあんまりないので引き直す手間が増えただけとも?
Zeroは味方を既定の何人かから選んでパーティーを組む。
いくつかの扉から敵を選び、必要数だけ倒すと先に進めるシステム。
後戻りができない為リソースの許す限りなるべく戦って
稼いでから先に進みたくなる、ギリギリの戦いが楽しめる。
SUMMONERは召喚できるモンスターの種類を少しずつ増やしながら
編成を組み替えつつダンジョンを進む。
編成は途中で交代が必須になるので、仲間がどんどん増えても
最初期のメンバーにも最後まで出番があるようになっている。
一見、交代のたび装備の付け替えが手間そうに見えるが
主力でないメンバーの装備はそんなに厳密でなくてもいい印象。
操作性としては見下ろし型なのだが視界が狭く扉の先が見えないなど
3Dダンジョンの良さは採りつつ操作性をよくしたようなプレイ感。
ダンジョン内の仕掛けの種類も多くなり、
地図を書きながら進んでいくと見えてくるものもあり、
仕込まれたネタを見つけていくのも面白い。
全体的に敵の攻撃が強力で即死持ちも多いが耐久が低め、
味方の回復手段があまり強力でないということも相まって
攻撃魔法の重要性が高かったり、敵を倒す順番による戦略性が強まったり
シンプルながらも苛烈でスピーディーな戦闘が楽しめる作品。
【31】『エルの死神』
ver.2.02 エンド3,4,5,6までプレイ 40分程度
熱中5/斬新4/物語6/素材8/遊易5/他+1
洋館脱出系ホラーアドベンチャー。
館全体を歩き回りどこで何を使うか考えるタイプというより、
一本道に近く一つ一つの謎解きに集中させるタイプ。
やたらと悪趣味な仕掛けが施されている館に、
どういうわけか閉じ込められてしまった主人公。
ストーリーや謎解きは童話をモチーフとしたものが多く、
中でも昔の童話の「本当は怖い」系の側面がよく取り上げられる。
各所には絵本の形でヒントが用意されているのだが、
それぞれの絵本に絵が用意されているこだわり具合。
(ヒントの絵は古いバージョンではなかったらしい)
多くの童話を知っていればいるほど、
展開の中にさらなる発見がありより楽しめる作品。
【24】『ゴルガン』
Ver1.048 各主人公で1週ずつプレイ 累計3時間程度
熱中6/斬新5/物語8/素材5/遊易5/他+5
宗教の裏で行われる生贄の儀式などダークな世界観が魅力的なRPG。
仲間として連れていくキャラクターは複数の中から2人選んで
編成して、戦いを進めていくことになるが
ストーリ中にいくつかキャラクターに関する選択肢があり、
それぞれのキャラクターについて掘り下げイベントや
仲間キャラ毎個別のエンディングへの分岐に関わってくる。
キャラ性も性能も個性的であり、周回プレイのやりがいがある。
一方で、一部のキャラクターは選択肢次第で離脱してしまうものも。
シビアでダークな世界観への説得力を持たせている他
選択を強いられ、その結果が展開に目に見えて現れるため
選択の重みが感じられるストーリーになっている。
戦闘のシステムは少しずつ溜まるSPを消費して
スキルを使って戦うものとなっている。
完全無敵化や全体大幅回復+強化など強力なスキルが存在するが
SPの性質上連発できないため使いどころの見極めが重要。
また多くの通常攻撃相当のスキルは
連続使用すると性能が強化される性質をもつため
SPがあまりない状態や使わずに戦いたい状況でも、
連続で攻撃行動できる隙を作れるかという駆け引きが生まれてくる。
状況の刻一刻と変化する戦闘も楽しめる作品。
【61】『見よ、天を衝くインの塔』
ver2.06 魔法ON/OFFに関してはズルしつつEND全種クリア
2時間半程度
熱中4/斬新5/物語7/素材3/遊易4/他+5
電子ゲームブック再び。本の中の数字の指示に従い、
パラグラフ(ページ番号のようなもの)を移動して
物語を進めていくアナログゲームを再現したもの。
選択肢で分岐するタイプのADV系ゲームに比べ、
パラグラフ番号に数を足したり引いたりなどの指示によって
明記されていない場面転換先がありうる、
そういった性質による謎解き要素が存在するのがポイント。
移動先の番号を手計算させたり、
地図をプレイヤーに方眼紙に書かせたり(方眼紙.pdfが付属)と、
アナログなプレイ感覚を楽しめる作品。
特に今回は地図を書くのが重要なので
マウスとペンを持ち変えつつなどして楽しもう。
またダメージに相当する魔法の使用可否ON/OFFなどが
ゲーム側でなくプレイヤー側の操作にゆだねられているため、
そのままプレイするのは難しいだとか、
ダメージで魔法が減ったので最初からやり直すのは面倒だと感じた人は
ダメージは無かった事にしてズルして遊ぶことも可能。
難易度もプレイヤーのさじ加減といったところか。
そういったアナログだからこそ出来る事が出来てしまうのも魅力。
▼マップをプレイヤーに方眼紙に書かせる形式だが、
道を進んだ時や落下したときに今何マス進んだのか
ハッキリ読み取れなかったり、あってもややこしい表現だったり、
ワープギミックで今自分がどこにいるか分からなくなったり、
果ては全体の形状がアレであるであったり、など……
何かと正確な地図を書くのが理不尽に難しく感じる要素が多く感じた。
その上、地図を書かないと厳しいつくりなのもあって、
地図を書いてゲームをプレイするのに慣れていない人は
総当たりを強いられる結果になる場面もあるだろう。
▼グラフィックおよび音声面の演出がかなり少なく、
文章による表現がメインとなっている。
それを地味と捉えるか、想像にゆだねると取るべきか……
好みの問題かもしれないが、
本作が紙媒体ではなく電子ゲームブックであることの
強みを十分には生かせてないように思った。
===
今回は以上4作品までとさせていただきます。
今回から選ぶおすすめ作品は【24】『ゴルガン』です。
選択肢によって味方キャラからの好感度が変わるゲームは数多いですが、
この作品では選択によってそれ以外にも細かくいろいろ変化します。
周回プレイの際はなるべく以前と違うものを選ぶようにしてみると、
意外な所が変化したりなどするかもしれません。
そう言った細かい作りこみのこだわりがすごい作品です。
ウディコン作品のプレイペースはウディコン期間中と比べ、
露骨に落ちているのがお分かりいただけると思いますが、
まだあと記事1回分、4作品ほどをプレイしたいと考えております。
(3つは順位掲載35位圏内の未プレイ作品を予定。もう一つは……?)
ウディコンが終わって長いこと経つのに?とかは考えない!
良いゲームはいつ遊んでもいい物なのだ!
というわけで次回がたぶん第13回ウディコンレビューの最終回ですが、
よろしければ最後までお付き合いくださいませ。
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秋月ねこ柳でございます。
ウディコンはとっくに終わり、次回ウディコンまでなんと300日を切ったのですが
あんまり気にしないでレビューは続けていきます。
なお今回は第9巻であり、
初めての方は注意事項などが初回にありますので、あらかじめ参照いただきたく。
また、レビュー記事をまとめた目次も随時更新しております。
===
【59】『Wizarga -DEMONS SAGA-』
ver.2021.08.28.9
#1:本編クリアまでプレイ・おまけ未攻略 3時間程度
Zero:本編クリア+Exクリアまでプレイ 1時間程度
SUMMONER:本編クリアまでプレイ・おまけ未実装 8時間程度
熱中4/斬新4/物語5/素材5/遊易5/他+5
三部作のダンジョンRPGが一つになった作品。
各ゲームはそれぞれひとつづつの作品として独立しているが、
それらはすべて一つの物語の一部であり、
3つの違った時代・違った視点から見ていくことになる。
#1は昔ながらのシンプルなダンジョンRPG。
扉を開ける前にその先の敵の種類が部分的に分かるのだが、
選択をやり直したり別の扉に行くことで敵の種類がある程度選べる。
▼とはいえ味方編成は固定のため、プレイヤーによって
得意苦手の差はあんまりないので引き直す手間が増えただけとも?
Zeroは味方を既定の何人かから選んでパーティーを組む。
いくつかの扉から敵を選び、必要数だけ倒すと先に進めるシステム。
後戻りができない為リソースの許す限りなるべく戦って
稼いでから先に進みたくなる、ギリギリの戦いが楽しめる。
SUMMONERは召喚できるモンスターの種類を少しずつ増やしながら
編成を組み替えつつダンジョンを進む。
編成は途中で交代が必須になるので、仲間がどんどん増えても
最初期のメンバーにも最後まで出番があるようになっている。
一見、交代のたび装備の付け替えが手間そうに見えるが
主力でないメンバーの装備はそんなに厳密でなくてもいい印象。
操作性としては見下ろし型なのだが視界が狭く扉の先が見えないなど
3Dダンジョンの良さは採りつつ操作性をよくしたようなプレイ感。
ダンジョン内の仕掛けの種類も多くなり、
地図を書きながら進んでいくと見えてくるものもあり、
仕込まれたネタを見つけていくのも面白い。
全体的に敵の攻撃が強力で即死持ちも多いが耐久が低め、
味方の回復手段があまり強力でないということも相まって
攻撃魔法の重要性が高かったり、敵を倒す順番による戦略性が強まったり
シンプルながらも苛烈でスピーディーな戦闘が楽しめる作品。
【31】『エルの死神』
ver.2.02 エンド3,4,5,6までプレイ 40分程度
熱中5/斬新4/物語6/素材8/遊易5/他+1
洋館脱出系ホラーアドベンチャー。
館全体を歩き回りどこで何を使うか考えるタイプというより、
一本道に近く一つ一つの謎解きに集中させるタイプ。
やたらと悪趣味な仕掛けが施されている館に、
どういうわけか閉じ込められてしまった主人公。
ストーリーや謎解きは童話をモチーフとしたものが多く、
中でも昔の童話の「本当は怖い」系の側面がよく取り上げられる。
各所には絵本の形でヒントが用意されているのだが、
それぞれの絵本に絵が用意されているこだわり具合。
(ヒントの絵は古いバージョンではなかったらしい)
多くの童話を知っていればいるほど、
展開の中にさらなる発見がありより楽しめる作品。
【24】『ゴルガン』
Ver1.048 各主人公で1週ずつプレイ 累計3時間程度
熱中6/斬新5/物語8/素材5/遊易5/他+5
宗教の裏で行われる生贄の儀式などダークな世界観が魅力的なRPG。
仲間として連れていくキャラクターは複数の中から2人選んで
編成して、戦いを進めていくことになるが
ストーリ中にいくつかキャラクターに関する選択肢があり、
それぞれのキャラクターについて掘り下げイベントや
仲間キャラ毎個別のエンディングへの分岐に関わってくる。
キャラ性も性能も個性的であり、周回プレイのやりがいがある。
一方で、一部のキャラクターは選択肢次第で離脱してしまうものも。
シビアでダークな世界観への説得力を持たせている他
選択を強いられ、その結果が展開に目に見えて現れるため
選択の重みが感じられるストーリーになっている。
戦闘のシステムは少しずつ溜まるSPを消費して
スキルを使って戦うものとなっている。
完全無敵化や全体大幅回復+強化など強力なスキルが存在するが
SPの性質上連発できないため使いどころの見極めが重要。
また多くの通常攻撃相当のスキルは
連続使用すると性能が強化される性質をもつため
SPがあまりない状態や使わずに戦いたい状況でも、
連続で攻撃行動できる隙を作れるかという駆け引きが生まれてくる。
状況の刻一刻と変化する戦闘も楽しめる作品。
【61】『見よ、天を衝くインの塔』
ver2.06 魔法ON/OFFに関してはズルしつつEND全種クリア
2時間半程度
熱中4/斬新5/物語7/素材3/遊易4/他+5
電子ゲームブック再び。本の中の数字の指示に従い、
パラグラフ(ページ番号のようなもの)を移動して
物語を進めていくアナログゲームを再現したもの。
選択肢で分岐するタイプのADV系ゲームに比べ、
パラグラフ番号に数を足したり引いたりなどの指示によって
明記されていない場面転換先がありうる、
そういった性質による謎解き要素が存在するのがポイント。
移動先の番号を手計算させたり、
地図をプレイヤーに方眼紙に書かせたり(方眼紙.pdfが付属)と、
アナログなプレイ感覚を楽しめる作品。
特に今回は地図を書くのが重要なので
マウスとペンを持ち変えつつなどして楽しもう。
またダメージに相当する魔法の使用可否ON/OFFなどが
ゲーム側でなくプレイヤー側の操作にゆだねられているため、
そのままプレイするのは難しいだとか、
ダメージで魔法が減ったので最初からやり直すのは面倒だと感じた人は
ダメージは無かった事にしてズルして遊ぶことも可能。
難易度もプレイヤーのさじ加減といったところか。
そういったアナログだからこそ出来る事が出来てしまうのも魅力。
▼マップをプレイヤーに方眼紙に書かせる形式だが、
道を進んだ時や落下したときに今何マス進んだのか
ハッキリ読み取れなかったり、あってもややこしい表現だったり、
ワープギミックで今自分がどこにいるか分からなくなったり、
果ては全体の形状がアレであるであったり、など……
何かと正確な地図を書くのが理不尽に難しく感じる要素が多く感じた。
その上、地図を書かないと厳しいつくりなのもあって、
地図を書いてゲームをプレイするのに慣れていない人は
総当たりを強いられる結果になる場面もあるだろう。
▼グラフィックおよび音声面の演出がかなり少なく、
文章による表現がメインとなっている。
それを地味と捉えるか、想像にゆだねると取るべきか……
好みの問題かもしれないが、
本作が紙媒体ではなく電子ゲームブックであることの
強みを十分には生かせてないように思った。
===
今回は以上4作品までとさせていただきます。
今回から選ぶおすすめ作品は【24】『ゴルガン』です。
選択肢によって味方キャラからの好感度が変わるゲームは数多いですが、
この作品では選択によってそれ以外にも細かくいろいろ変化します。
周回プレイの際はなるべく以前と違うものを選ぶようにしてみると、
意外な所が変化したりなどするかもしれません。
そう言った細かい作りこみのこだわりがすごい作品です。
ウディコン作品のプレイペースはウディコン期間中と比べ、
露骨に落ちているのがお分かりいただけると思いますが、
まだあと記事1回分、4作品ほどをプレイしたいと考えております。
(3つは順位掲載35位圏内の未プレイ作品を予定。もう一つは……?)
ウディコンが終わって長いこと経つのに?とかは考えない!
良いゲームはいつ遊んでもいい物なのだ!
というわけで次回がたぶん第13回ウディコンレビューの最終回ですが、
よろしければ最後までお付き合いくださいませ。
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